東大阪の小さな工務店がオフィスを「実験場」にした理由
吉武工務店がまず手を付けたのは、東大阪の自社オフィスでした。単なる事務所から、「リビングのようにくつろぎつつ、アイデアが生まれる場」へ。打合せスペースには木の質感を活かしたテーブルとベンチ、手ざわりの良い床材を採用し、ロゴのコンセプトでもある“オレンジ色のあたたかさ”を照明計画で表現しました。大工棟梁の技術をそのまま見せる造作棚やカウンターは、来社したお客様へのプレゼンそのもの。自分たちが誇れる「リアルなモデル」として、ここから多くのオフィス改修の相談が生まれています。
Before/Afterで見る、働く人の意識の変化
リノベーション前は、資料が積み上がる昔ながらの事務所。打合せも書類の山をかき分けて行うような状態でした。改装後は、動線を整理し、収納は造作で壁面に集約。自然光を取り込むレイアウトとし、木製のパーテーションでゆるくゾーニングしました。社員からは「お客様に『うちもこんなオフィスにしたい』と言われるようになった」「片付けたくなる空間になり、仕事の質も上がった」との声が上がっています。空間の変化が、そのまま社員の誇りや提案力の向上につながっているのが特徴です。
Yoshitake村御杖という“1割の挑戦”が生んだもの
奈良県御杖村の古民家を再生した「Yoshitake村御杖」は、企業保養所であり、モデルハウスであり、セミナールームでもあります。売上全体から見ればまだ「1割の挑戦」ですが、ここでの取り組みがブランドを大きく押し上げました。木造・古民家のノウハウが蓄積され、空き家活用や関係人口増加に関する相談も増加。実際に宿泊・研修に訪れた企業が、そのままオフィス改修や住宅リノベーションの依頼につながるケースも出ています。数字以上に、会社の未来像を示す象徴的なプロジェクトになりました。
古民家再生が地域コミュニティを動かすプロセス
御杖村の古民家は、長く使われていなかった空き家でした。吉武工務店は、できるだけ既存の梁や柱を残しつつ、断熱性能や設備を現代仕様へアップデート。地元の方にヒアリングしながら、地域の行事やワークショップに使えるレイアウトも検討しました。その結果、都市部の企業研修、家族での滞在、地域住民の集まりなど、複数の用途で活用されています。「ただの宿」ではなく、人の行き来と交流が生まれる拠点となったことで、御杖村への関心が高まり、リピーターや移住検討者も現れています。
これから入るメンバーが担う具体的な役割
新しく関わるメンバーには、次のような実務での活躍が期待されています。
- 古民家・オフィス案件の現地調査に同行し、写真や寸法、周辺環境の記録を手伝う
- チームでのアイデア出しワークショップに参加し、レイアウトや使い方の案を出す
- Yoshitake村御杖をはじめとするモデル空間の「ここをもっと良くできる」という改善提案を行う
- 完成現場の撮影やストーリー整理、SNS投稿文のたたき台づくりをサポートする
専門スキルよりも、「空間を良くしたい」「地域と関わりたい」という視点が重視されます。
ポートフォリオがなくても準備できる“問い”とアクション
これまでの実績がなくても、次のような準備があるとプロジェクトに入りやすくなります。
- 御杖村や東大阪のまちについてリサーチし、「この地域でやってみたいこと」を1つ考えてくる
- 好きな建物や空間の写真を5つ集め、「なぜ好きなのか」を言語化しておく
- 「この古民家をどう使うと面白いか」「このオフィスでどんな働き方がしたいか」といった問いを、自分なりに整理しておく
面談や打合せの場では、「空き家活用で地域とどうつながれますか?」「御杖村の次に挑戦したい場所は?」など、一歩踏み込んだ質問や視点を持ち込んでくれる方と、一緒に未来の“1割の挑戦”をつくっていきたいと考えています。