吉武工務店の「プランナー的ポジション」とは
吉武工務店のプランナー的ポジションは、設計図を描くだけでなく、「どんな時間をここで過ごしてほしいか」から空間を組み立てる役割です。オフィスリノベーションと古民家再生の両方に関わり、企業の働き方や地域との関係性まで踏み込んで企画します。自社大工棟梁や現場監督と密に連携しながら、コンセプト設計、ラフプラン作成、プレゼン、予算調整、工事中のディレクション、完成後の活用提案までを一貫してリードする「空間の総合プロデューサー」に近いポジションです。
一般的な設計職との違いと、吉武工務店ならではの特徴
一般的な設計職が「図面・法規・納まり」に重心を置くのに対し、このポジションは「ヒアリングと企画」に時間をかけます。特に、オフィスと古民家を行き来しながら培った知見を活かし、単なる内装変更ではなく「組織文化や地域の風景まで変えるリノベーション」を提案するのが特徴です。また、自社の古民家施設「Yoshitake村御杖」を実験場として、ワーケーションやセミナー利用などの使い方も含めてプランニング。空間づくりと事業アイデアをセットで考える点が、吉武工務店ならではの強みです。
1案件の流れ:オフィスリノベの実例でみる仕事プロセス
オフィスリノベ案件では、まず経営者や現場メンバーへのヒアリングからスタートします。「今の働き方の課題」「将来の組織像」を整理し、キーワードやコンセプトワードを抽出。次にゾーニングや動線をラフスケッチで示し、簡易3Dやイメージボードで共有します。社内合意形成をサポートしつつ、コスト感と工期を詰め、詳細設計を社内設計者・大工とすり合わせ。工事中も定例打合せに同席して微調整し、完成後は「使い方レクチャー」や、数か月後の改善提案まで行うのが一連の流れです。
古民家再生ならではのプランニングと現場とのすり合わせ
古民家再生では、建物ごとの「歴史・癖・傷み方」を読み解くところから企画が始まります。現地調査で大工棟梁と一緒に構造を確認し、「残す意匠」「現代仕様に変える部分」をその場でディスカッション。たとえば、黒く煤けた梁をあえて見せるか、断熱性能をどう確保するかなど、設計図面だけでは決めきれない要素が多く発生します。プランナー的ポジションは、施主の想いと安全性・コストのバランスをとりながら、現場での判断材料を整理し、合意形成をファシリテートする役割を担います。
求められるスキルセット:人とアイデアとITをつなぐ力
このポジションでは、次のようなスキルが重要になります。
・傾聴力と質問力:要望の背後にある「本音」を引き出す力
・企画力:限られた予算・条件の中で代替案を複数考える力
・プレゼン力:ラフスケッチや簡易3Dでイメージを共有する力
・ITリテラシー:オンライン会議ツール、クラウドストレージ、簡単なBIM/CADやプレゼンソフトの活用力
・現場理解:構造や施工手順への基本的な理解
すべてを完璧に備える必要はありませんが、「人とアイデアと現場をつなぐ通訳者」になれるかどうかが鍵です。
未経験から目指すステップと、自主企画ポートフォリオの作り方
未経験から目指す場合は、まず「小さな空間」を題材に自主企画を行うのがおすすめです。自宅の一室、カフェ、コワーキングスペースなどを想定し、(1)ターゲット設定、(2)現状の課題整理、(3)コンセプトワード、(4)ゾーニング案、(5)参考イメージ収集、までを1セットとしてまとめます。無料の間取りソフトやプレゼンツールを使い、A3数枚程度のシートに整理すれば、立派なポートフォリオになります。実際に友人にプレゼンしてフィードバックをもらうことで、「伝わる企画」にブラッシュアップしていくと実務にもつながります。
「図面だけではなく、一緒に空間を考えたい」人にとってのやりがい
吉武工務店のプランナー的ポジションの魅力は、「人の変化を間近で見られる」点にあります。オフィスなら、リノベ後に会議が活発になった、採用力が上がった、といった変化。古民家なら、地域に人が集まり始めた、都会の人がリピートしてくれるようになった、といった変化です。図面を描いて終わりではなく、その後の使われ方まで伴走し、改善提案まで続けていけるので、「空間を通じて人と地域の未来をつくる」という実感を得やすいポジションと言えるでしょう。