「売り込む人」ではなく、空間づくりの“通訳者”
吉武工務店の営業・コーディネーターは、いわゆる「押しの強い営業」とはまったく違う役割です。お客様と大工・設計のあいだに立ち、「こんなふうに働きたい・暮らしたい」という言葉にならないイメージを、図面や工事内容に翻訳していく“空間の通訳者”。
東大阪の中小企業からの営繕相談、一般住宅のリフォーム、古民家再生まで、規模もジャンルもさまざまですが、「この人になら話してみたい」と思ってもらえることが、何より大事なスタート地点になります。
最初は「ちょっとした修理相談」から始まる
入口はとても小さな仕事であることが多く、代表的なのは次のような相談です。
・ドアが閉まりにくい
・雨漏りが心配になってきた
・事務所を少し使いやすくしたいなど
営業・コーディネーターは現場に足を運び、雑談も交えながら困りごとを丁寧にヒアリング。「どこが不便か」「どんなふうになったらうれしいか」を一緒に言語化し、その結果を社内の大工・設計に共有します。小さな修理から信頼関係を積み重ねていくのが、吉武工務店流です。
オフィスリノベ提案ができるまでのストーリー
例えば、東大阪の製造業の事務所から「会議室をきれいにしたい」という相談を受けたとします。
1回目の訪問では、業務内容や社員数、今後の採用計画までヒアリング。「ただの会議室」ではなく、「採用面接や社内イベントにも使える場がほしい」という本音を引き出します。
持ち帰った情報をもとに、社内でレイアウトと予算案を検討。木を活かしたインテリアや、オレンジ色の照明計画などを盛り込み、「働く人が誇れるオフィス」というコンセプトで提案していくのが一連の流れです。
古民家活用では、地域と暮らし方までデザインする
吉武工務店が力を入れる古民家再生では、「建物を直すこと」がゴールではありません。御杖村の古民家体験施設のように、
・企業の保養所や研修の場
・地域の人が集まるコミュニティ拠点
など、使い方そのものを一緒にデザインします。営業・コーディネーターは、オーナーの想い、地域の課題、予算と収益性をすり合わせながら、リノベの方向性を整理。木造への理解が深い自社大工とタッグを組み、「古さを活かしつつ、安全で心地よい空間」に仕上げていきます。
向いている人・向いていない人のシンプルチェック
向いているのは、
・図面は読めなくても、人の話を聞くのが好き
・答えを急がず、「一緒に考える」姿勢でいられる
・モノより「場の雰囲気」や「人の表情」に目がいく
といったタイプです。
一方で、
・とにかく数字だけを追いたい
・短期的な売上が最優先
という価値観だと、吉武工務店の仕事スタイルとは少しギャップが出るかもしれません。目の前のお客様と長く付き合うことを楽しめるかどうかが、大きなポイントです。
選考前にできる“好きな空間”ポートフォリオづくり
未経験の方におすすめなのが、「好きな空間」を写真で集めることです。
・カフェやホテル、オフィスなどの写真をスマホで撮る
・なぜ好きなのかを一行メモで言語化しておく
・SNSやノートアプリにジャンル別で整理する
これだけでも、立派な“感性のポートフォリオ”になります。営業・コーディネーターは、お客様の言葉にならない好みをくみ取る仕事です。自分の「居心地の良さ」の基準を知っておくことが、対話の精度を上げるトレーニングにもつながります。