朝いちばんは「今日つくる家具」の確認から
工場の1日は、受注内容の共有から始まります。同じソファでも、生地や木部カラー、座り心地の硬さ、キャスター追加など、オーダーごとに仕様はさまざま。
職人たちは図面と指示書を囲みながら、
- どの素材を使うか
- どの順番で進めるか
- どこに難所がありそうか
をすり合わせます。大量生産のラインとは違い、「今日はこの数をきっちり仕上げよう」とペースを自分たちで組み立てていくのがSWITCH流。ここでの段取り次第で、1日のクオリティが決まってきます。
素材選び:木も布も「表情」を見て決める
次は素材と向き合う時間です。木材はラフなホワイトオークやウォールナットを中心に、節やひび割れの入り方を目で見て触って選びます。
「この節はあえて見せたほうが格好いい」「ここは強度を優先して外そう」など、一本ごとに判断。
張地も、児島デニム・倉敷帆布・オイルレザーなどを、色だけでなく厚みやコシ、経年変化の出方まで想像しながら選定。図面に書ききれない「表情」を読み取るのが、職人の腕の見せどころです。
木工・張り・縫製、それぞれの持ち場でコツコツと
午前中から午後にかけては、本格的な加工の時間。木工ではカット・削り・組み立てを通してフレームをつくり、角を落としたり手触りを整えたりと細かな仕上げが続きます。
縫製の持ち場では、直線だけでなくカーブやパイピングなど、座り心地に関わるラインをミリ単位で調整。張りの工程では、ウレタンやバネを組み合わせ、「少し硬め」「左右で座り心地を変える」などのオーダーにも対応します。スピードよりも、「毎回きちんと同じ品質でつくること」が優先されます。
試座・検品:実際に座って、目と体でチェック
組み上がったソファやチェアは、検品エリアへ。ここで行うのは、サイズやキズのチェックだけではありません。
実際に座り、
- ギシギシ音がしないか
- 座面が片側だけ沈まないか
- 背もたれの角度は図面どおりか
を一つずつ確認します。
視覚だけでなく体感で確かめるので、「今日は少し柔らかく感じる」など微妙な違いも見逃しません。この段階で気になる点があれば、迷わず持ち場に戻して手直し。妥協しない姿勢が、使い始めてからの安心感につながっています。
出荷準備と「その先のメンテナンス」を見据えた仕事
検品を通った家具は、傷がつかないよう丁寧に養生し、行き先ごとに積み込み準備へ。直営店やオンラインショップのお客様、法人案件など、届け先はさまざまです。
このとき同時に、将来のメンテナンスも想定して、部材の情報や仕様を社内で共有。張り替え・修理を前提とした構造にしているため、「いつでも直せる」ことを意識して組み立てています。「作って終わり」ではなく、「長く付き合う前提」で仕事をしているのがSWITCHらしさです。
未経験でも育つ理由と、評価されるポイント
工場には、入社時は未経験だった職人も少なくありません。特殊な伝統工芸ではなく、「毎日続けることで身につく仕事」が多いからです。
評価されるのは、
- コツコツと同じ作業を丁寧に続けられること
- わからないことをそのままにせず、素直に聞けること
- 図面だけでなく、仕上がりを自分の目でよく観察できること
といった実直さ。派手さよりも、「昨日より少し上手くなったか」を自分で感じられる人ほど、じわじわと力を伸ばしています。
見学気分のあとにできるアクションと、押さえたい視点
この記事で工場の1日をイメージできたら、次は「自分ならここで何に貢献できるか」を考えてみると有益です。例えば、事前に整理しておくと良いのは、
- どんな家具や素材が好きか、その理由
- 続けてきたこと(アルバイト・部活・趣味など)で培った集中力や継続力
- ものづくりだけでなく、写真・SNS・図面などでサポートできること
といった観点です。志望動機やポートフォリオでは、「SWITCHのどの考え方に共感したか」「どんな家具を一緒につくりたいか」を、自分の言葉で伝えられるよう準備しておくと、現場のイメージと自分のイメージがより具体的に結びついていきます。