児島デニムと倉敷帆布。使い込むほど「顔」が出る生地選び
SWITCHのソファやチェアに多く使われるのが、児島デニムや倉敷帆布です。色落ちやアタリ、糸のふくらみといった経年変化が、時間とともに持ち主の暮らしを映し出します。たとえば、濃紺の児島デニムソファは、家族の「いつもの席」だけが少し明るく退色していく。その変化を「劣化」ではなく「味わい」と捉えられる素材だけを採用しています。新品の時点で完璧に均一な表情より、使いながら完成していく不均一さを大事にしているため、やわらかな起毛感や糸のムラがあるロットをあえて選ぶこともあります。
ホワイトオークとウォールナット。節とひび割れを「欠点」にしない
SWITCHの木部は、ラフなホワイトオーク材やウォールナット材が中心です。節やひび割れ、入り皮といった自然由来の痕跡を、完全に消すのではなく、構造上問題ない範囲で“残す”加工を行います。たとえばダイニングテーブルでは、大きな節の周囲を透明な充填材で固め、手触りを滑らかにしながら模様として見せることがあります。ウォールナットの濃淡のグラデーションも、あえて一本の天板の中に混在させ、木が育ってきた時間そのものを感じられるようにしています。
効率より手間を選ぶ、工房の一日の風景
富田林の工房では、職人が一脚ずつ座り心地を確認しながら、ウレタンの密度やカット位置を微調整します。左右の硬さを変えてほしいというオーダーがあれば、その一脚だけのために型を調整することもあります。生地の裁断では、大きなロスを覚悟してでも、児島デニムの耳や色ムラの出方を見ながらパーツ配置を決めます。機械作業に任せれば早く終わる工程も、最終の釘一本、糊一滴まで職人が目で見て、手で確かめながら進めていくのがSWITCHの日常です。
流行より「自分たちが欲しい家具」をつくる姿勢
SWITCHの新作は、「今これが売れているから」ではなく、「自分たちが本当に欲しいか」を基準に企画が始まります。社長や専務をはじめ、社内の作り手がスケッチを持ち寄り、試作を重ねます。完成しても、流行色やデザインに合わせて無理にアレンジすることはありません。むしろ、長く付き合えるかどうか、10年後にどう変化しているかを想像しながら細部を詰めていきます。その結果、ニッチで一見地味でも、感性の合うお客様に強く選ばれるラインナップが生まれています。
素材へのこだわりが生きる、張り替え・修理・別注の事例
SWITCHは販売して終わりではなく、張り替え・交換・修理・別注対応を前提に設計しています。児島デニムのソファを、10年後にオイルレザーへ張り替える依頼があった際には、フレームをそのまま活かし、座面のクッション構成だけを見直して「今の暮らし」に合う硬さへ調整しました。企業ロビー向けには、ウォールナットのベンチにキャスターやコンセントを組み込む別注にも対応。素材を熟知しているからこそ、寿命を延ばしながら、使い方の変化にも合わせてアップデートすることができます。
工房見学で職人に聞いてみてほしい質問集
工房を訪れる機会があれば、次のような質問を投げかけてみると、SWITCHのものづくりが立体的に見えてきます。
- 児島デニムと倉敷帆布、それぞれどんな経年変化を想定して設計していますか?
- 節やひび割れを残すかどうか、どこで線引きしていますか?
- 一番手間がかかるけれど、あえてやめない工程はどこですか?
- 記憶に残っている別注オーダーや修理事例を教えてください。
- 「これは自分でも家に置きたい」と思ったモデルはどれですか?
自分の“素材愛”を棚卸しするチェックリスト
SWITCHの家具やものづくりに興味がある方は、自分の「素材へのまなざし」を確認してみてください。
- 新品より、使い込まれた革やデニムに魅力を感じる。
- 木目や節の違いを見比べるのが好きだ。
- 多少手間でも、長く使えるものを選びたい。
- 経年変化を「汚れ」ではなく「物語」として楽しめる。
- 効率よりも、「丁寧に作られているか」を重視する。
いくつも当てはまるなら、SWITCHの実直なものづくりと、きっと感性が近いはずです。日々の暮らしの中で、身のまわりの素材に少しだけ意識を向けてみると、新しい家具の選び方や、長く付き合う楽しみ方が見えてきます。