「自分たちが本当に作りたい家具」から始まる仕事
大阪・富田林で1927年に籐家具からスタートしたカナタ製作所。百貨店向け座椅子で成長しながらも、時代の変化の中で「このままでは先がない」と自ら方向転換し、オリジナルブランド「SWITCH」を立ち上げました。
大量生産の流行を追うのではなく、「自分たちが欲しいと思える家具」を受注生産で丁寧に作る。そのプロセスには、木を削る職人の手しごとだけでなく、「どう魅せて、どう届けるか」を考えるクリエイティブな視点が欠かせません。
1日のタイムラインで見る、家具が“世に出る”まで
9:00〜12:00|試作と細部の調整(家具職人)
ラフなホワイトオーク材やウォールナット材を前に、節やひび割れをあえて残す位置を職人が検討します。図面ベースの寸法は同じでも、「この節をあえて前面に出そう」といった判断は現場のセンス。午前中はフレームづくりや張り地合わせの試作が中心です。
13:00〜15:00|撮影ディレクションと写真チェック(営業・SNS担当)
完成した試作品を工場の一角に運び込み、自然光がきれいに入る時間帯を狙って撮影。家具の高さや角度、クッションのシワの寄り方まで、営業とSNS担当が一緒に確認します。「このソファは児島デニムの経年変化を見せたいから、あえて太陽光を強めに」など、製品コンセプトをどう写すかまで話し合いながらシャッターを切ります。
15:00〜17:00|Instagram投稿・ストーリー案出し(SNS担当)
撮影した写真を選び、キャプションを作成。「職人の◯◯が、節の表情にこだわった一脚」など、現場ならではの裏話を交えて投稿内容を組み立てます。リール動画用に、木材がソファになるまでの数秒クリップを編集することも。投稿後は反応をチェックし、「次は張り替え事例を紹介しよう」と次回テーマをメモします。
週末|展示会での来場者対応(営業・職人)
展示会では、営業だけでなく職人もブースに立つことがあります。「この肘のラインは、オイルレザーの張り方を変えていて…」と、作り手自らが説明すると、来場者の表情も変わります。その場でカスタム相談が生まれ、「ご夫婦で硬さを左右で変えたい」といったオーダーにつながることも少なくありません。
未経験からでも関われる“クリエイティブ業務”の例
- InstagramやX(旧Twitter)の投稿企画・文章作成
- 製品撮影時のレイアウト提案や小物コーディネート
- 展示会ブースの見せ方、POPコピーの草案
- 張り替え・修理事例のビフォーアフター撮影と紹介文作成
最初は先輩のディレクションのもとで少しずつ担当し、1〜3年目には「新シリーズのSNS告知を一式任される」「自分が企画した投稿がブランドハイライトに残る」といったチャレンジも現実的なステップです。
入社1〜3年目で任されるチャレンジ案件のイメージ
- 新作ソファの撮影コンセプト立案と当日の進行補助
- 特定商品の売上を伸ばすためのキャンペーン投稿の企画
- 直営店イベントの簡単なフライヤー案作成
- 職人インタビュー記事の構成案づくりと撮影同席
「作る現場を理解しているからこそ書ける文章」「木や生地に触れているからこその写真」が評価され、少しずつ裁量が広がっていきます。
応募前にやっておくと差がつく3つの準備
1. 自作のSNSポスト案を作ってみる
SWITCHのウェブサイトやInstagramを見て、「自分ならこう紹介する」を3〜5投稿分考えてみると、面接時に具体的な話がしやすくなります。写真がなくても、テキストだけの案で十分です。
2. 写真・動画の簡単なポートフォリオ
スマホ撮影で構わないので、好きな家具やインテリア、小物を撮った写真を10枚程度まとめておくと、「モノの見方」が伝わります。無料アプリで短い動画にまとめるのも有効です。
3. 好きな家具ブランドを言語化しておく
SWITCHに限らず、「なぜそのブランドの家具が好きなのか」を言葉にしておくと、自分の美意識や価値観を説明しやすくなります。それはそのまま、カナタ製作所で何を作り、どう届けたいかを考える土台になります。
手を動かして家具を作りながら、その魅力をどう伝え、誰に届けるかまで考える。カナタ製作所の仕事は、「職人」と「マーケター」の境界を行き来しながら、暮らしを豊かにする一脚を世に送り出していくプロセスそのものです。