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素材から読み解く家具業界研究|児島デニム・倉敷帆布・オイルレザー・無垢材…“本物志向”メーカーで働くという選択

デニムソファ , 受注生産 , 家具メーカー研究 , 本物志向 , 無垢材家具

2026.03.09

「合板+化粧板」と「本物素材」のビジネスモデルの違い

国内の家具メーカーは、大きく「量産向きの素材」を扱う企業と、「本物素材」に振り切る企業に分かれます。前者は合板に木目調の化粧板を貼ったものや、ウレタン+安価な張地を用い、大量生産・在庫販売が前提。製造原価を抑え、広告と販路で売るビジネスです。

一方、SWITCHを展開するカナタ製作所のようなメーカーは、原価の高い素材をあえて選びます。児島デニム・倉敷帆布・オイルレザー、ホワイトオークやウォールナットの無垢材など、素材そのものにブランド性とストーリーがあるため、価格競争ではなく「価値」で勝負するモデルになります。

SWITCHが選ぶ素材の意味

児島デニム・倉敷帆布・オイルレザー

児島デニムや倉敷帆布は、国内外から評価されるタフな生地です。色落ちやチョークマーク(白い擦れ)が味になるため、経年変化を楽しみたいユーザーに向きます。オイルレザーも同様に、傷やシワが「風合い」に変わる素材。張り替えやメンテナンス前提で長く使うことができ、結果としてライフタイムバリュー(生涯売上)を高めやすいのが特徴です。

ホワイトオーク・ウォールナットの無垢材

無垢材は一枚一枚の表情が異なり、節やひび、色ムラも含めて唯一無二の個体になります。合板に比べると反りや割れのリスクがあり、歩留まりも悪く、原価管理は難しい。それでもSWITCHが無垢材を選ぶのは、「素材の個性こそ価値」と考えるからです。

なぜ節やひびをあえて残すのか

一般的な量産家具では、節やひびは「欠点」とされ、見えないように加工します。仕上がりは均一でクレームも出にくい反面、どれも似た印象になりがちです。

SWITCHは、ラフなホワイトオークやウォールナットの節・ひび・色ムラをあえて残したまま加工します。そこには以下のような狙いがあります。

  • 一本の木が持つ「自然素材らしさ」を、そのまま家具に宿す
  • 一点一点が異なる表情になり、「自分だけの一脚」という満足感を生む
  • 小さな傷や汚れがついても目立ちにくく、むしろ馴染んでいく

トレンドより信念を優先するブランドにとって、「完璧な均一さ」ではなく「個性と変化」を選ぶことは、アイデンティティの表明でもあります。

なぜ本物素材は受注生産と相性が良いのか

高価な無垢材やレザーを大量に在庫すると、キャッシュフローの負担が大きくなります。SWITCHが受注生産を採用しているのは、在庫リスクを抑えつつ、一点一点の仕様に合わせて最適な素材を選ぶためです。

受注生産だからこそ、座り心地の硬さを左右で変える、キャスターを付けるなど、細かなカスタムにも対応しやすくなります。これは「本物素材を最大限に活かす作り方」であり、「ユーザーと一緒に家具を仕上げていく」プロセスとも言えます。

素材を見る目を養うチェックポイント

工場見学やショールーム訪問の際は、次の点を意識してみてください。

  • 木口(断面)を見て、化粧板か無垢かを見分ける
  • 節やひびをどう処理しているか(埋める/残す)
  • 張地の産地や種類を説明できるスタッフがいるか
  • メンテナンスや張り替えの体制が整っているか
  • 外注と自社製造のバランスをどう考えているか

これらは、単なる品質チェックではなく、その会社が「何を大事にしているか」を知る手がかりになります。

志望動機で差がつく「素材へのこだわり」の伝え方

素材に惹かれて本物志向のメーカーを志望するなら、「好きです」だけで終わらせず、体験と学びをセットで語ると説得力が増します。例えば次のような構成です。

  • 出会い:どの製品・素材に惹かれたか(例:児島デニムのソファ)
  • 気づき:量産家具との違いとして、どこに価値を感じたか
  • 行動:ショールーム訪問やメンテナンス方法の勉強など、自分で起こしたアクション
  • 貢献:その素材の価値を、営業・企画・製造の立場でどう伝え、活かしたいか

「〇〇という素材を選んでいるからこそ、△△なユーザーにこう伝えたい」というレベルまで落とし込めると、業界研究の深さが自然と伝わります。

素材から業界を読むと、見える景色が変わる

同じ「家具メーカー」でも、選んでいる素材とその活かし方によって、ビジネスモデルも働き方も大きく変わります。量産・低価格を磨く道もあれば、SWITCHのように、児島デニムや倉敷帆布、オイルレザー、無垢材と真正面から向き合う道もある。

どちらが正解という話ではありません。ただ、自分が「どんな素材と、どんな時間軸でモノづくりに関わりたいのか」を言語化できれば、企業選びも志望動機づくりも、ぐっとクリアになります。次に家具に触れるときは、デザインだけでなく、素材とその背景にも目を向けてみてください。業界研究は、その一脚から始められます。