「知る人ぞ知る」から、もっと届くブランドへ
大阪・富田林で戦闘機の椅子や座椅子づくりから始まり、約100年。カナタ製作所のオリジナルブランド「SWITCH」は、受注生産・自社一貫製造にこだわるあまり、宣伝よりもものづくりを優先してきました。その結果、「熱烈なファンはいるけれど、まだまだ知られていない」存在に。だから今、あえてSNSやポップアップイベント、展示会に本気で取り組み始めています。大量生産ではなく、一つひとつ手づくりの家具だからこそ、「感性の合う人にきちんと届くための伝え方」を磨き直しているのです。
受注生産だからこそ、顔が見える発信が必要だった
SWITCHの家具は、児島デニムやオイルレザー、倉敷帆布、ホワイトオークやウォールナットなど、素材から徹底的に選び抜く受注生産。節やひび割れをあえて残し、職人が手間を惜しまず仕上げます。その分、カタログや価格だけでは伝わりません。どんな人が、どんな想いで、どんな現場で作っているのか。SNSやイベントは、その「顔が見える距離」でブランドの背景を伝えるための場です。単に知名度を上げるのではなく、「この世界観が好き」と思ってくれる人と出会うための発信なのです。
フォロワーの一言から生まれた、新しい家具のストーリー
SNSでの対話から、新しい商品が生まれることもあります。たとえば、あるフォロワーの「在宅ワークで長時間座れるデニムソファがほしい」というコメント。そこから座り心地の硬さやサイズ感をとことん議論し、試作を重ね、デニムソファの新バリエーションが誕生しました。イベント会場で「ここにキャスターがあったら…」という声を聞き、実際にカスタム対応した例も。フォロワーや来場者は「お客様」であると同時に、ものづくりの共犯者。SNSとイベントは、そんな共創の入口になっています。
ポップアップや展示会は“素材と人”に触れてもらう場
ポップアップイベントや展示会では、写真だけでは伝わらない「質感」と「空気感」を届けます。ラフなホワイトオークの手ざわり、オイルレザーの経年変化、倉敷帆布の張り。実際に座ってもらい、「この沈み込みが好き」「この節の表情がいい」といったリアルな反応をその場で受け取ります。職人やスタッフが直接説明することで、受注生産ならではのカスタムの可能性も具体的にイメージしてもらえる。SWITCHにとってイベントは、販売の場であると同時に、学びと対話の場でもあります。
「職人+発信」という、新しいかたちの関わり方
SWITCHでは、つくる人が発信にも関わることを大切にしています。図面を引く人が製作過程を撮影したり、ソファを組み立てた職人がそのこだわりを文章にしたり。こうしたリアルな声は、SNSで強い説得力を持ちます。「作り手」と「売り手」をきっちり分けるのではなく、ものづくりの現場にいるメンバーが、自分たちの言葉で伝える。これが、次の100年に向けたSWITCHのスタンダードになりつつあります。
未経験から関われるSNS・イベントの具体的なタスク
発信やイベントに興味はあるけれど未経験、という人でも関われる仕事は多くあります。たとえば、
・Instagram投稿のネタ出し(今日の工場の一コマ、素材の紹介など)
・撮影アシスタント(家具の配置、光の調整、簡単なスマホ撮影)
・イベント現場での写真・動画撮影、レポートの簡単な文章作成
・フォロワーさんからの質問を社内に共有し、回答内容をまとめる
最初はサポートから入り、少しずつ企画や編集にも踏み込んでいく。そんな段階的な関わり方を前提にしています。
「次の100年」を一緒につくる視点で
カナタ製作所とSWITCHが目指しているのは、「大量に売ること」ではなく、「感性の合う人に長く使ってもらうこと」。そのためには、良いものを作るだけでなく、丁寧に伝え、対話を重ねる力が欠かせません。SNS運用やイベント企画に関わることは、単なる広報ではなく、ブランドの未来を一緒につくる行為そのものです。素材に触れ、現場を知り、発信を通じてまた新しいものづくりへつなげていく。「職人+発信」というハイブリッドな関わり方が、SWITCHの次の100年を形づくっていきます。